Friday, September 13, 2019

シンガポールで知らず知らず触れているマレー語

シンガポールに暮らしていると知らず知らずのうちにマレー語からなる言葉に触れています。改めて見てみるとこれもマレー語だったのか、意外とマレー語の語彙があるかも、と思うかもしれません。1.食べ物、2.地名、3.その他(シングリッシュ等)の順で、意味・用例とともに記しました。

1.食べ物
Ayam 鶏 - Ayan Penyet 焼いた鶏肉とご飯のセットメニュー
Campur 混ぜる - Nasi Campurマレー式ミックスご飯
Goreng 揚げる - Nasi Goreng マレー式チャーハン
Ikan 魚 - Ikan bilis アンチョビ
Kacang 豆 - Ice Kacang マレー式かき氷、豆が入っている
Kambing ヤギ - Soup Kambing ヤギのスープ、ホーカーセンター等にある
Kecap しょうゆ - Kecap Manis 甘いしょうゆの意、濃い口しょうゆ
Kopi コーヒー
Kosong 空の - Kopi Kosong ブラックコーヒー
Kue ケーキ - Kue Lapis 層になったケーキ、ケーキ生地のもの、サゴ椰子の澱粉製のがある
Makan 食べる - シングリッシュでは食事に行くの動詞としても使われる
Mie 麺類 - Mie Goreng マレー式焼きそば
Nasi ご飯
Pisang バナナ - Pisang Goreng 揚げバナナ(おいしい!)
Roti パン - Roti Prata ロティプラタ、薄い生地を伸ばして重ねながら焼く
Sambal サンバル - 辛味調味料
Sotong イカ
Susu 牛乳 - Kopi Susu ミルクコーヒー
Teh お茶 - Teh Tarik 二つの容器で引っ張る(=Tarik)ように淹れる練乳入り紅茶

2.地名
Baru 新しい - Johor Bahru(Baru) 中国語では新山と書く
Besar 大きい - Jalan Besar 大きい通りの意味
Bukit 丘 - Bukit Timah シンガポールの高級住宅街
Jalan 通り - Jalan○○という通りがたくさんある
Kampung いなか - 地名にも料理にも(Kampung Chickenなど)つく
Masjid モスク - Masjid Sultan等、モスクの名前にはこれがつく
Pasar 市場
Pasir 砂 - Pasir Panjang港, Pasir-risなど
Pulau 島 - Pulau Ubin, Plau Semakauなど
Sungai 川 - Sungei Buloh Wetland Reserveなど
Tanjung 岬 - Tanjung Pagarなど

3.その他
Bahasa 言語 - シンガポールではBahasaというとインドネシア語を指す
Hati-hati 気をつけて - MRTの中のアナウンスよく聞こえる
Atas 上 - シングリッシュではハイクラスの意味
Tahan 耐える - Buay Tahanで耐えられないのシングリッシュ。Buayは福建語で不能の意
Kentang じゃがいも - Jiak Kantangはシングリッシュでポテトばかり食べる=西洋かぶれの意

(番外編)
Suka 好き - シンガポール福建語の中に登場する

Saturday, December 29, 2018

華人会館でシンガポールの教育事情を垣間見た話

ツイッターには書いていたのだが、先日シンガポールのある華人会館、○○会館に呼ばれセミナーの一いちセッションでパネリストとして登壇する機会があった(といっても小さなものだが)。ツイートするには長すぎるので何年振りかにブログに記事を書く。

これのセミナーはその会館が設立した小学校に子を入学させることを考えている親が参加するものだ。二部構成になっていて、前半はいかにバイリンガル教育が重要かを伝える「バイリンガルとさらにその先」、後半はその会館が設立した小学校に入るために必要なことについての実際に子どもを入学させることができた親の体験談と会館の人のコメントからなる。参加者は全員中華系。私はパネリストとして前半のセッションに登壇した。

まずは前半、参加者は会館からの女性のファシリテーターと、パネリストとして中国語が話せる自分と、同じく中国語が話せるフランス人男性、中華系シンガポール人男性。セッションの狙いはいかに子どもが中国語語を話せるようになることが重要かということを父母に感じてもらうこと。まずはファシリテーターの女性が、中国語を話せることのメリットをスライドを使って説明。説明は英語。欧米人と中国人の考え方の違い、いまやグローバルに活躍する中国企業などについて。要は中国語できた方が子の将来絶対有利ですよと。その後、ファシリテーターや聴衆の父母がパネリストにいろいろと質問する。自分からは、例えばサッカー選手になるのは大変だが、中国語ができること+何かスキルや得意分野を二つ組み合わせれば10かける10かける10で1/1000の人間になれるので、今後の競争社会においても負けない自分の領域を持てるという話をした(アリババ・ファーウェイなどが、積極的に東南アジアに進出し携帯だけじゃなく、都市開発にまで関わり始めている事例も用意しておいたが、流れ的に使わなかった)。最初は英語でのやりとりだったが、だんだんやりとりが中国語になってゆく。パネリストと聴衆のやりとりのなかで、印象に残っているのは聴衆の女性が「中国語が得意でないので英語で質問させてください。私は家で子どもと英語で話しています。いまから子に中国語を話せるようにさせることはできるのでしょうか?」と質問したのに対し、シンガポール人のパネリストは「私も家の中では英語の環境のなかで育った。あとから中国語も福建語も勉強して覚えた。また、自分の子もそうだったが、自分もあとあと中国語は重要であると思い子に中国語を勉強させようとしたがなかなか興味を持ってもらえなかった。ただお寺などに何度か連れていき、建物のあのデザインは何を表していて…など話してたら次第に興味を持ったようで、そのあとは自ら中国のドラマなどを見るようになった。興味を持てば子は自ら勉強するようになる。親として重要なのは子を中国のいろいろなものに触れる機会を提供することだ」。確かにそうだと思ったし、質問した女性も頷いていた。元中国人でシンガポールで生まれ育った方は「シンガポールの教育はレベルが高いと言われるが、実際に自分がシンガポールの大学で学んでみて、それは中国の大学に比べるとそれ程でもないのではと感じた。子をシンガポールで大学に行かせるべきかどうなのか」との質問だった。これに対しては、自分は「シンガポールの大学はスタートアップの育成に力を入れていたり、学生も希望すればスタートアップと一緒にビジネスをする機会があったり、そういう場は少なくとも日本の大学以上、世界でも有数な程度提供されているように思う。いかに学生自身が大学を利用するかだ。」と答えた。司会の人もそれには賛成意見を言っていた。

前半が終わったら一部のパネリストは退場なのだが、せっかくなので公判も傍聴させてもらった。学校に入るために必要なことのセッション。このセッションはすべて英語であった。まずは前半でも説明していた会館側の女性による系列の小学校の特徴の説明。これらの小学校はシンガポールのなかでも評判がよく、子を入れさせたい親も多いようだ。中華系学校の売りとして、他の学校よりも中国語で教えるクラスが多い。さらに中国語強化対象として選抜された児童は一般のカリキュラムに上乗せで中国語の授業や、中国文化に触れる課外活動、中国への修学旅行などがあるとのこと。そして、パネルディスカッション。パネリスト3名はいずれもその会館の系列の小学校に子どもを入学させた親。いわば彼らの成功体験をシェアし、そこから参加者が学びを得ようというものだ。というのも、シンガポールには学校自体は公立だが、学校の人気不人気があり、親は人気の学校に子どもを入れるべく努力する。そのようななか、その会館が設立に関わった学校に子を入学させたい場合、その会館の推薦を得ることで入学し易くなるような制度があるようだ。公立の小学校はどの学校を受けたいかを申請する。申請には順序があり、①まずは親や兄弟がその学校の出身者、②次にそれ以外、③最後が②で漏れた場合のリベンジのような三段階に分かれている。①は子の進学を考えている時点ではどうしようもないので、特定の小学校に子どもを入れたい親は②から頑張ることになる。そこで、この推薦が重要になるのだ。また推薦以外にも、目的の学校の近くに住んでいることが重要で、学校から1km圏内に住んだ方がいいそうだ。パネリストのうちひとりはわざわざ子の学校入学のために目的の学校から1km圏内の家を買ったそうだ。後で聞いた話でもこういうケースは多いらしい。その学校に入れることが確約されているわけではないのに学校近くに家を買う。結果的に入れなければ遠い距離別の学校に通う必要がある。ギャンブルのようなものだ。シンガポールの親、とても大変である。そして会館から推薦を受ける話。開館から推薦を受けるには2年以上前から会員であること、会館から与えられるボランティア機会での計80時間のボランティアが必要とのこと。このボランティアは天后宮のお祭りの運営サポートだったり、媽祖のお祭りへの参加、または老人ホームでのボランティアだったりする。一般のボランティアではなく、その会館が提供するボランティアに申し込み実施することが必要だそうだ。聴衆が「自分は△△会館という○○会館の下部にあたる会館(中国の地名だと○○が省で△△が市のレベル)でボランティアを行ったことがあるのだが、それは含まれるのか?」との問いには会館の関係者は「まずは直接この○○会館のボランティアではなくてはならない。またそれは、この会館が募集を行ったボランティアに対し応募する形でなければならない」とのことだった。そして必死な父母からのこんな場合は?こんな場合は?という質問は1時間以上続いた。最後に会館の偉い方からのお言葉。「天后宮や媽祖のお祭りのボランティアなどに関する質問も出たが、言っておかなくてはならないのは、会館は特定の宗教を会員に強いることはしていない。あくまでボランティアとして捉えてほしい。」とのことであった。

子の教育のために親が学校の近くに家を買うことまでするから、人気の学校は入るのが難しくなる。そのため、公立でありながらあの小学校は優秀だとか、そういった競争が生まれる。そのなかにおいて、この会館系列の小学校は人気となっており、その小学校に子を入学させるために会館のメンバーになり、会館のためにボランティアをする。こうして会館のメンバーは増え、華人の伝統は引き継がれていく。よくできたシステムだし、一方そうでもしないといけないほど文化を引き継ぐことは簡単でないのだとも思う。シンガポール、生活すること・働くことにおいては日本よりはストレスがないように思う/思われているが、こと子の教育においては、父母はものすごいストレスのなかで葛藤、格闘しているというのを垣間見たのであった。

セミナー会場

前半と後半の間で出たケータリングの食事










Sunday, July 2, 2017

[中小企業診断士] 中小企業診断士とコンサルティングファームの報酬

前回は中小企業診断士とコンサルティングファームの違いについて、取り組む課題、人物要件・行動特性について述べ、診断士資格取得が大手コンサルティングファームへの就職に役に立つのかどうかについて述べました。

今回は報酬の観点から、それらの違いについて述べたいと思います。

中小企業向け(中小企業診断士):
報酬は顧客中小企業から支払われる場合と、公的機関から支払われる場合がある。ある程度資金にも余裕があり、一層の成長を望んで、または将来想定される環境・状況の変化に備え診断を依頼する中小企業の場合、中小企業から直接報酬を受取る。受け取り方にも、テーマを決めコンサルティングを行うごとに報酬を受取る場合と、顧問契約のような形で毎月・毎週等、定期的に重要な会議に出席、または経営者の相談相手となり、期間で決められた額を受取る場合とがある。一方、公的機関から支払われる場合もある。中小企業診断士が公的機関に専門家として登録し、中小企業が公的機関に援助を求めてきた際、公的機関が中小企業に専門家として派遣する。公的機関は派遣費用のうち、全額若しくは一部を負担する。この場合、中小企業診断士から見た場合、顧客は診断先中小企業であり、また派遣元の公的機関でもある。派遣先中小企業、派遣元の公的機関双方から高い評価を受け、実績を積むことがが再び派遣されることに繋がる。顧問契約のような定期的に収入が入る仕事以外は、都度仕事に対する報酬を受けることになり、毎月の収入が一定とは限らない。自身で収入と仕事のバランスのマネジメントをすることが求められる。

大企業向け(コンサルティングファーム):
報酬は顧客企業から支払われる。中小企業向けのコンサルティングに比し、プロジェクト報酬の絶対額は高い。その分、コンサルティングファームは個人でなく企業として一定の品質を保ち、かつスピード感のある仕事で、いい意味で顧客企業の期待を裏切る仕事をし続けなくては、高いプロジェクト報酬を得続けることはできない。顧客企業も就職人気ランキングの上位にくるような会社ばかりで顧客にも優秀な人が多く、かつそのなかでもさらに優秀な人がプロジェクトに顧客側担当としてアサインされるため、そう簡単には満足は得られない。個人としても、一定程度以上の成果(顧客満足、売り上げ、コンサルタントとしての稼働)を出し続けることができれば、それが当該年度の評価となり、翌年の給与に反映され、12分割され(会社にもよるが)月給として支給される。

どちらも、自分・会社というブランドを維持・高め、仕事を獲得し続けるために常に価値・品質の高い、スピーディーなコンサルティングを提供し続けることが求められる。いかに顧客企業の役に立ち評価され続けるか、報酬はその対価であるということを考えれば、どちらも非常に緊張感の高い仕事であると言えます。

前回から、①顧客企業の抱える課題、②コンサルタントとしての人物要件・行動特性、③報酬の考え方の観点から中小企業診断士とコンサルティングファームの違い・共通点について述べました。それぞれ少しずつ異なるものの、①共通して持っておいた方がよい知識・考え方があり、②重要な課題や今後の進め方について自身の意見として提示できる必要があり(論理的にも正しく)、③いい意味で顧客の期待を裏切り続け仕事及びその報酬を獲得する、といった点では共通しています。そしてそもそもそういった仕事をする理由として、中小企業診断士であれ、コンサルティングファームであれ、顧客企業ひいては日本をよりよくすること(究極的には世界をよりよくすること)に貢献したいということがあるのではないでしょうか。そのような考えを持った人であれば中小企業とコンサルティングファームを並行して目指すことは決して無駄なことではないと考えます。

確かに大手コンサルティングファームへの転職だけを目指す人は、中小企業診断士の学習に1年、2年の時間をかけるよりは、コンサルティングファーム向けの履歴書・職務経歴書・志望動機書の作成や、面接・ケース面接の練習に取り掛かる方が手っ取り早いかもしれません。ただ、コンサルティングファームで働いた後コンサルタントとして独立したい、結果としてコンサルティングファームへ就職できなくても中小企業診断士として世の中を良くしたいといった夢を持っている人であれば、中小企業診断士・コンサルティングファームへの転職を併せてを目指すことは十分意味のあることであると言えます。中小企業診断士を転職やステップアップのための資格としてではなく、「コンサルタント」になるための足掛かりと考えてはどうでしょうか。

Saturday, July 1, 2017

[中小企業診断士] 中小企業診断士取得は大手コンサルティングファーム入社に有利か

事業会社で働いているころ、自己研鑽として中小企業診断士資格取得のための学習をしていました。また、資格取得してそれを武器に大手コンサルティングファームへ転職したいと思っていました。当時、診断士資格取得がどの程度大手コンサルティングファームへの就職に有利になるのかとウェブで調べたところ、中小企業のコンサルティングを行う中小企業診断士と、大企業を相手にする大手コンサルティングファームとではその業務内容も異なり、中小企業診断士資格は大手コンサルティングファームへの転職にはそれほど有利とはならず、中小企業診断士の学習に時間を割くことは得策ではない、という意見が多かったです。本当にそうなのか。ウェブ上では、他人への嫌味、妬みだったりそういったものに基づいた正確でない意見があたかも多数派であるように見えることも多々あります。そういった意見は信じない方がいいです。

自身はその後、中小企業診断士養成課程で実際に複数の中小企業向けコンサルティングプロジェクトを経験し資格取得、大手と言われるコンサルティングファームに就職したことで、中小企業向け、大企業向けのコンサルティングをそれぞれ経験しました。そのうえで、診断士資格は大手コンサルティングファーム入社や、業務に役立つのか改めて考えてみました。


1.まずはそれぞれで取り組むべき課題の特徴を切り口に、共通点の有無を考えます

中小企業の抱える課題(中小企業診断士が取り組む課題):
・限られた経営資源(資金、人材)をどう使って生きのびていくのか(金銭的余裕のある大企業以上に多い制約)
・マネジメント業務をどのように後継者に引き継いでいくのか(事業継承)

・国や自治体、公的機関の補助金や融資制度、専門家派遣等の各種制度のうち、自社に活用できるものはあるのか、どのように活用するのか
・顧客企業が海外進出したが、自社もついていくべきかどうすべきか

大企業の抱える課題(大手コンサルティングファームが取り組む課題):
・会社が今重点的に取り組むべき課題は何か(社会の動向まで踏まえ)
・会社の将来像はどうあるべきか、将来像までどのようなシナリオで持っていくべきか
・大勢の関係者のなかどのように合意形成を図り、決まった方針に対してどのような順序で社内コミュニケーションを行っていくのか

このように、確かに取り組むべき課題には大きな違いがあります。ただ、業務のなかで必要な財務諸表を見ること、固定費・変動費の考え方、マーケティングの考え方、会社法・特許に関する知識、組織の形態、システム・データベースの考え方等、会社の規模に関係なく共通して知っておいた方がいい知識、考え方は多くあります。学習を通してコンサルタントに必要なこれらの様々な視点を得ることは十分可能ですし、学習意図を大手コンサルティングファームでの採用面接で言及することはアピールにはなると思います。実際に、コンサルティングファームでは様々なテーマのプロジェクトがありますが、幅広い基礎知識がると新しいテーマへの足掛かりとなり、キャッチアップが早いと思います。



2.次に、コンサルタント自身はどうあるべきか、人物要件・行動特性から考えます

中小企業へのコンサルティングに必要な人物要件・行動特性:
①中小企業経営者の相談相手になれる(社員の人生・生活を背負い、常に仕事のことを考えている経営者と対等に話ができるだけの知識・自分なりの考え・気迫の持ち合わせ)

②国、自治体、中小企業支援機関の各種施策及びその活用方法についての見識がある
③国、自治体、中小企業支援機関とのネットワークがある(専門家としての登録、実績の積み上げ)
④セミナー、講演会等の講師として、経営についてわかりやすく整理して伝えられること

大企業へのコンサルティングに必要な人物要件・行動特性:
①論理的にものごとを考えられること(社内で意思決定・方針を展開する際に出されるであろうあらゆる意見・反対意見を想定、それでも方針が最も正しいはずだと言える必要があるため)

※特に大企業では、意思決定には様々な関係者がおり、どのようにして各関係者に納得してもらうか、鍵穴に合う鍵を作っていくような論理建てが求められます
②前例、類似する事例のない課題であっても、自ら考え、自分なりの対応方法をひねり出す

※顧客は世の中にない取り組み、自社では初めての取り組みに対してコンサルタントに協力を求めてくることが多いです

共通で必要な人物要件・行動特性
①自分なりの考えが本当に正しいのかと説明できるために論理的思考で他の方法・他の切り口も既に検討し尽くしていること(特に大企業でより重要)
②常に顧客の先を考えていることで、質問・意見に対し即答し、議論を踏まえその場で今後の主要な課題・進め方について提示できる(議論をスピーディーに進めることも価値のため、持ち帰って検討することは極力しない)
③ワード、エクセル、パワーポイントは顧客に教えられるくらい使いこなせているとともに、作業に費やされるスピードを極限まで短く、考える時間・顧客と話す時間を最大限多くすることを意識している

※②、③では、クライアントにさすが、と言われるくらいのスピード感でないとコンサルの存在が後押しになっていると思ってもらえないです

大企業へのコンサルティングや共通で必要な人物要件・行動特性については、資格取得に向けた学習のみで身に着けることは難しく、確かに中小企業診断士資格の学習ではその獲得には適していない、ということはできます。また、そもそも中小企業のコンサルティングに必要な人物要件・行動特性自体も実際には資格の学習だけでは難しいと言えます。そのため、これは日ごろの業務の中で、お客さんとの議論、社内の議論、社内のプロジェクト等を自らリードするなかで培うことが必要です。

1.及び2.を踏まえると、中小企業診断士資格の取得に向けた学習は大手コンサルファームで働くにあたっての基本的知識の獲得には有効であり、また面接でもアピールは可能。ただ、それだけでは中小企業・大企業にコンサルティングを行う場合ともに必要な人物要件・行動特性については十分に得ることはできないため、現職で意識的に経験を積んできた、結果そういった行動様式を身に着けてきたと言えることが重要です。中小企業診断士の学習をしつつ、会社では自ら率先してホワイトボードの前に立ち議論をリードしましょう!

Friday, June 9, 2017

[中小企業診断士] 診断士資格を活かして国際協力に携われる会社

診断士のなかでもニッチなのかもしれないですが、そのような志のある方に役に立つようにと思いまとめました。会社の社員募集要項に「中小企業診断士」と書いてあったり、JICA等の案件の入札情報から「中小企業振興」関連の案件を複数獲得している開発コンサルティング会社をピックアップしました。

日本開発サービス

http://www.jds21.com/
募集要項の資格の欄に「中小企業診断士の資格があると尚可」と記載があります。

アイシーネット

http://www.icnet.co.jp/
募集要項に「中小企業診断士などの各種専門技術、国家・公的資格を高く評価」と記載があります。実績のなかに、「中小企業海外展開支援案件」があります。

かいはつマネジメントコンサルティング 

http://www.kmcinc.co.jp/
事業内容で、「国際ビジネス支援部」があり、企業の海外進出支援を行っています。ODA部門の事業内容に「中小零細企業開発部」があります。国際ビジネス支援部に中小企業診断士の方が在籍されています。

ユニコ インターナショナル株式会社

http://www.unico-intl.co.jp/
募集要項に「中小企業診断士等の各種専門技術、国家・公約資格を高く評価」と記載があります。事業内容に、「中小企業振興分野では、零細・中小企業を対象とした振興策の策定、中小企業向け支援サービスの提供体制整備、中小企業診断士の育成制度構築、中小企業向け金融制度の構築及び品質・生産性向上(カイゼン)の普及など多くの実績があります。」と記載があります。

株式会社ワールド・ビジネス・アソシエイツ (WBA)

http://www.wba.co.jp/
中小企業診断士が中心となって設立・運営されている会社です。

グローバル開発経営コンサルタンツ

http://gdmc.jp/
こちらも中小企業診断士が中心となって設立・運営されている会社です。

株式会社コーエイ総合研究所

http://www.kri-inter.co.jp/index.html
事業分野に「産業開発/中小企業振興」があります。

と、学生時代に国際協力に関わりたいと思っていたが、JICA等限られた選択肢のなかで結局一般企業に就職した方も、診断士を取得することで、これらの会社で働き、国際協力に携われる可能性があります。これは、国際協力に携わることを目指している学生もあまり知らないと思いますし、携わりたいと思っていた人もあまり気付いていない事実だと思います。これが診断士資格取得+転職で夢をかなえる方法です。診断士資格取得自体が難しいと思うかもしれませんが、何年かに分けて一次試験を通過、その後養成課程に行けばいいのです。やりたいことが明確なら手段を選ぶ必要はありません。新卒でJICAに入団するよりも何倍も可能性が高いですよね?

で、そのJICAに中途で入社して活躍されている診断士の方もいます。

JICAで働く診断士
https://www.jica.go.jp/topics/person/20121225_01.html


私の記憶している限りでは、JICAやジェトロ等、こういう国の機関は以前は中途採用を行っていなかったと思うのですが、最近では中途採用をしているようです。JICAの募集要項にも「開発課題 - 民間セクター開発」の記載がありますね。ここが診断士資格の活かせる分野会と思います。診断士の方のインタビューでは、「国際協力も民間の仕事も現場感覚が大切。機会があれば、今度はプロジェクトの現場で案件に携わり、少しでも顧客である途上国の皆さんに貢献したい」と言われていますが、これはJICAや他の政府機関、国際機関は予算を持ってプロジェクトを実施する会社を入札で決め、そのプロジェクト管理をする、といったコーディネーター的な役割が多いのだと思います。相手国の現場で自らがプロジェクトに関わりたいのであれば、開発コンサルティング会社の方がいいのかもしれません。どのような形で国際協力に関わりたいのかを考えたうえで、働きたい場所を考えるのがいいかと思います。

Tuesday, June 6, 2017

[Singapore] 写真で十分?スタークルーズ

ご存じの方もいると思いますがスタークルーズという船のツアーがシンガポールから出ています。運営しているのは、シンガポールとマレーシアでカジノを運営するGentingという会社です。少し前にこのツアーに参加したことがあるのですが、そのときの様子をシェアしたいと思います。

船のツアーといっても、私が乗ったのは、どこにも寄港しないツアー。シンガポールから、二泊三日で洋上に出て、またシンガポール港に帰ってくるのです。なんのために、こんなツアーがあるかというと、カジノ目的のお客さんがターゲットです。公海に出るので、国の制約を受けずにカジノを運営できるということだと思います。Gentingとしては、セントーサのカジノもありますが、マレーシアのGenting(地名)のカジノや、このスタークルーズと組み合わせていろいろな形でのカジノを提供することで、グループとしてのファンを増やしていきたいという考えなのかと思います。

乗り場はハーバーフロントのショッピングモールVivo Cityと繋がっているのですが、建物内を歩いていくと、"Protect Your Family"。日本では見ない風景なので緊張感が高まります。


船内の風景。ホテルの廊下のようです。
























部屋に入ってテレビをつけるとカジノでの遊び方の説明。
























甲板の風景。


甲板のビュッフェコーナー。船は夕方出発なので、夕食どきで混みあっています。 食事する場所は船の中で4か所あり、中華スタイルのビュッフェ、洋食やインド系の食事のビュッフェが二か所、洋食のコース、それぞれ提供するレストランがありました。


そして船内を散策。カジノコーナーです。このようなマシン以外にも、ポーカー等対面型のギャンブルもありました。(見回した限り写真を撮ってはいけないとどこにも書いていませんでした。)
























そして、参加しているイスラム系の団体を指しているのだと思いますがカジノコーナーには入れないとの記載が。団体が自分達で貼っているのだと思います。


物販コーナー。シンガポールでは有名な明治製菓のハローパンダ。と懐かしのラッキー。これも明治製菓です。明治製菓は日本で販売しなくなったおかしも海外では売り続けているようです。
























船の甲板をぐるっと散策。非常用の小舟。


船内の広いスペースではいろいろなプログラムが組まれている。ステージ上でダンス教室に参加する人々。


















ツアー参加者は年配の方と、意外にも家族連れも多かったです。また、インドからの観光客らしき人も多くいて、インドからシンガポールに旅行できて、わざわざスタークルーズに参加しているようでした。夕暮れ時の甲板でも多くインド人家族グループを見ましたが、家族団らんを楽しんでいる様子でした。夕暮れ時の甲板はとても気持ちがよかったです。

全体としてこんな感じでした。2泊3日でこんな感じです。夜はパーティーが行われているような、そこではドレスコードがあるような「豪華客船」では決してなく、庶民の娯楽といった位置づけでした。私もそうでしたが、正直カジノ目的の方以外は、ちょっと退屈な感じに思ってしまうかなと思います。まだ参加されていない方が参加されてみて、この写真以上のものがあるかというと、うーん。二泊三日で旅するなら、東南アジアの他のところに行った方がいいかなと思います。それでも自分は行ったことないしという方は実際に行かれるか、行かれる場合はマラッカに寄港するものもあるのでそちらに参加されるのがいいかと思います。次はもっといいグレードの船に乗るぞ。

Monday, June 5, 2017

[Singapore] シンガポールのワーキングマザー達に思うこと

シンガポールで働いていると女性が活躍していると感じます。実際に女性労働力率は日本よりも高いです。下記のデータブックでも、日本で見られるようなM字カーブ(結婚・出産期に当たる年代に一旦低下し,育児が落ち着いた時期に再び上昇すること)は見られません。グラフがちょっと見にくいですが。

データブック国際労働比較2015 (P53)
http://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/databook/2015/documents/Databook2015.pdf

2-5 年齢階級別女性労働力率(2013年)


結婚・出産を機に退職する人が少ないことが理由として考えられますが、その背景として、シンガポール政府が子育てをしながらの就業を奨励していることがあります。

シンガポール政府のワーキングマザーへの補助金に関するページ
https://www.ecitizen.gov.sg/Topics/Pages/Subsidies-for-infant-child-and-student-care.aspx

このウェブサイトでは、下記のように、ワーキングマザーが乳児を全日の保育園に預ける際には、月600 SGDの補助金が支給される(ワーキングマザーでない場合は150 SGD)こと、幼児の場合は月300の補助金が支給されること(ワーキングマザーでない場合は150SGD)が記載されています。





また、これは母親だけでなく、父親にも当てはまりますが、下記政府のウェブサイトに記載がありますが、7歳に満たないシンガポール国籍の子を持つ場合には、年に6日のChild Care休暇が与えられます。
http://www.mom.gov.sg/employment-practices/leave/childcare-leave/eligibility-and-entitlement

日本で有休を使わなければいけない場合に比べると休みが取りやすいと思います(シンガポールに来るとそもそも日本ではなぜ有休って取りにくかったんだっけと、シンガポール人が日本人に対して抱くのと同じように思ってしまう日本人も多いと思いますが)。

で、話はここからです。シンガポールは制度がしっかりしているから、日本もそうすればいいではないか、というほど単純ではありません。制度の上で、ワーキングマザー自体もかなり頑張っています。知り合いの例を下記に紹介したいと思います。


①多国籍 消費財メーカーで働くワーキングマザー
在宅勤務制度を利用している。会社に出社するのは月一度。在宅勤務しながら、生まれて数か月の子ども面倒を見る。仕事の合間合間でミルクを与えたり、おむつを交換したり。

②多国籍 IT機器メーカーで働くワーキングマザー
子どもは幼稚園に預け、会社に出社する。営業の最前線で働いており、顧客回りも多い。子供の幼稚園は午後4時には迎えに行く必要があるため午後3時にはオフィスを出る。午後9時に子どもが寝たあと夜中の12時まで自宅で業務を行う。

本人達も相当大変だと思います。そして、これらの例から会社も在宅勤務や、フレックスタイムを認めていることもわかります。

日本では「女性の社会進出」というけれど、要は女性もこういう働き方をする覚悟があるのか、男性も自ら率先して子育てに関わり負担を折半する覚悟があるのか、例えば女性がどうしても仕事を切り上げられなければ男性が仕事を切り上げて子供を迎えに行く覚悟があるのか、会社もよりフレキシブルな働き方やそのためのインフラを提示する準備があるのか、ということです。

本当にそのような社会になったら日本の居酒屋の売り上げも半分になると思います。この間日本出張に行ったときに、一次会が終わっていい感じに酔っぱらった様子の黒いスーツを着た数十人の男性の集団がすぐに帰らず二次会に行こうかどうしようかというような雰囲気でじゃれあっていました。シンガポールに来る前の自分だったら見慣れていたはずの風景でも、シンガポールでの生活に慣れた自分としては違和感を覚えました。本当に女性の社会進出を実現しようとすると、こういう風景は見られないことになります。社会通念のようなもの自体を変えていく必要があります。

会社も、在宅勤務やフレックスは管理上問題がある、と言っているばかりでは意味がありません。在宅勤務と仕事の質・量をどうやって両立をすべきかを考えるべきです。日本企業でもシンガポールでの多国籍企業でのワーキングマザーの働き方、企業の提供している働き方やそのインフラをベンチマークし、日本に輸入するような取り組みも有効かもしれません。